~グラビアアイドルが芸能界でキラキラな恋に落ちちゃった場合~
「え?」


花壇の方へ走っていく良くんの後を、あたしも追う。

花壇の前にしゃがみ込んだ良くんの隣に、あたしも座り込んだ。


「あれー? 確かに見えたんだけどなぁ、ホタル」


そんなことを言う良くんに、あたしが苦笑した。


「いやいや、ホタルがこんなところにいるわけないでしょ。ホタルはきれいな水辺で、しかも夏じゃないといないから……」


話の途中で、あたしは声を失った。

良くんの右手が、並んで座るあたしの左手を、そっと握ってきたからだ。

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