~グラビアアイドルが芸能界でキラキラな恋に落ちちゃった場合~
あと数センチで二人の唇が触れ合うところで


「……ごめん」


あたしの口から、そんな言葉が出た。


良くんはそこでピタリと動きを止め、

それから……


「ちぇーっ!」


その場で、頭をガシガシとかいた。


「なんだ、やっぱりそうなんだ。結果は昨日と同じかぁ。え、なんで? なんでダメなの?」


「だって……」


「僕、まりちゃんのために、曲作ったし。まりちゃんのために、医学部受かったし。この上、何したらいいんだよぉ」


良くんが、両手で顔を覆う。

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