~グラビアアイドルが芸能界でキラキラな恋に落ちちゃった場合~
ザザーン、ザザーンと、

静寂の中に、波の音だけが聞こえる。


「寒いだろ」


ふいに司がそんなことを言い、自分の首に巻いていたマフラーを取って

ふわりと私の首にかけてくれた。

マフラーの端を持って、ぐるりと私の首に巻いてくれる。



「ありがとう」

マフラーを巻き終わった司は、そのまま、手をあたしの肩に置いた。

トクン、と、あたしの胸が波打つ。


「……司?」


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