~グラビアアイドルが芸能界でキラキラな恋に落ちちゃった場合~

そこには、いくつかの写真立てが飾ってある

家族写真の入っている写真立てがいくつか。

それから、その中には、「ランきゅん」の撮影のときに司が買ってくれたうさぎ柄の写真立ても置いてあって。


「さっき、これには気づかなかった?」


その写真たてには、あたしが撮った、司の笑顔の写真が入っていた。


「司のポスターは貼らないよ。
ファンのみんなに向けた司の笑顔じゃなくて、あたしだけに向けられた笑顔を飾りたいから。
……なんて、こんなこと言ったら、司のファンに殺されちゃうけど」


司は、「まいったなぁ」と小さくつぶやいて。


「16歳の小娘に、こんなにドギマギさせられるの、すげー悔しいけど」


と前置きして。


あたしの耳元で、

「すげー嬉しい」

と、ささやいた。
< 279 / 350 >

この作品をシェア

pagetop