~グラビアアイドルが芸能界でキラキラな恋に落ちちゃった場合~
「しつこいって、ひどい! あたしは、司のことを思って……」
司は、小さなため息をついた。
「これは、俺の問題だから。
俺が決める。
俺は、この件はもういいって、決めた。
御木本麗華は、もう俺とは何の関係もない」
「関係なくないでしょ!」
「しつこいって言ってるだろっ」
それは、あたしが初めて聞く、司のイラだった声だった。
確かに、しつこかったかもしれない。
でも、せっかく会えたお母さんなのに、自分のことを思い出してもらえないなんて、切ないじゃない。
司は、写真立ての置いてあるチェストの前に行き、家族写真が入っているものを手に取った。
「お前には、分からないと思う」
少しさみしそうな声。
「こんなに幸せそうな家族がいる、お前には」
「……」