~グラビアアイドルが芸能界でキラキラな恋に落ちちゃった場合~

「だって、司は!?」


「スタジオ出て、ロビー方面に向かえば誰かいるだろうから。この状況を知らせてくれ」


「分かった。助けを呼んでくる」


ゴクリと息を飲んだ瞬間。

男が、「うぉ~っ!」と奇声を上げながら向かってきた。


「離れろ!」


司の声にはじかれるように、あたしは司から離れた。

男は司にナイフを向けて飛びかかろうとしたけれど、司はひらりと身をひるがえす。

男が体勢を直して、再び司に襲いかかり、司がその腕をつかんで、取っ組み合いになる。


司のことが気になったけど、早く助けを呼びに行かないといけないと思い、あたしは扉の方に向けて走り出そうとした。


そのとき……

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