~グラビアアイドルが芸能界でキラキラな恋に落ちちゃった場合~





「うぅ……ヒック……」


頭が真っ白になって、しばらく泣き続けていると、

スタジオの扉が開く音が聞こえた。

振り向くと、光森監督が入ってくるところだった。


「かん……とく……」


涙でぐちゃぐちゃの顔のあたしを見た監督が、驚いたような顔をする。


「まりんちゃん、どうした!?」


「いま……ストーカーが入ってきて、ナイフを振り回して、それで……それで……司が刺されて……」


「うそだろっ!?」


監督は驚いた顔で近づいてきて。

あたしの前に倒れている司の顔をのぞきこんだ。


「大変だ……とにかく、医務室に運ぼう」


監督が、司の横にしゃがむ。


「もう遅いんです。いまさら医務室に運んでも……」


「このままにしてはおけないから」

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