~グラビアアイドルが芸能界でキラキラな恋に落ちちゃった場合~
あたしが戸惑った次の瞬間、司がふっと笑った。


「別に、何もしやしねーよ。
何かするなら、この前ホテルで一晩一緒だったときにしたし。
なんなら今だって、そのチャンスはあるし?」


司があたしの胸にぴとっと手をつけたので、

「何すんのよっ」

あたしはその手をペシっとたたいた。


「冗談だよ、ばーか」


司が、クスクス笑う。


「言っただろ。
俺、まりのことは大事にしたいんだ。
だから、急がない。
ゆっくり付き合っていこう」


そう言って、あたしのおでこにキスをした。


「ただ、まりの手料理を食べてみたいだけ。
先週放映されたトーク番組で、『オムライスが得意です』って言ってただろ。
『ケチャップでハート書いちゃいますよ」って。
書いてよ、ハート」

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