~グラビアアイドルが芸能界でキラキラな恋に落ちちゃった場合~
そう、「ランきゅん」の撮影は、台本は上条司の方にしか渡されない。

相手の女の子は、どんなデートコースにエスコートをされるか分からないからこそ、余計に

「きゅん」

とするわけで、その素直な反応を、視聴者に見せようという趣旨だそうだ。


「あたし、まだバラエティ番組には数えるほどしか出てなくて、慣れていないんです。だから、台本を知らないのがやっぱり少し不安で」


少しうつむいたあたしの頭に、上条さんが帽子ごしにポンと手を乗せてきた。

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