~グラビアアイドルが芸能界でキラキラな恋に落ちちゃった場合~
***



撮影は、湖畔で、あたしが待ち合わせ場所で待っているシーンからはじまった。

スタッフがあたしに向けて何か機械を用意しているなぁと思ったら、いきなりその機械から強い風が吹き出して、帽子が飛ばされた。


――ちょっと、風、強すぎ!


帽子を取ろうと振り向くと、目の前に、帽子を手にした上条さんがいた。


「はい」


上条さんがしゃがみ込んで、あたしの頭に帽子をかぶせてくれる。

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