~グラビアアイドルが芸能界でキラキラな恋に落ちちゃった場合~
「まりんちゃーん!」


「まりんちゃん!」


あたしを呼ぶそれらの声は、好意的なものなのだろうけど、

それでも、知らない人たち――主に男の人――に取り囲まれて、無理やり握手をさせられたり髪を触られたり、どさくさに紛れて抱きつかれたりするのは、恐怖しか感じなかった。


――こわい。


どうしよう、と、パニックになりそうだった、そのとき。


「ちょっと、どいて!」


人ごみをかき分けて、登場したのは……


「司!」


上条司、だった。
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