~グラビアアイドルが芸能界でキラキラな恋に落ちちゃった場合~
「家、どこ?」
フロントガラスに視線を向けたままそう尋ねてきた司に、家の場所を答えようとしたところ……
グ~っと、あたしのお腹が大きな音を立てた。
慌ててお腹を押さえるあたしに、司は驚いた目を向けて
次の瞬間、笑いだした。
「すげー音!」
「だ、だって! 今日は朝4時から撮影で、ずっと何も食べてなかったんだもん!」
お腹を押さえたまま、顔を赤くしてそう反論したあたしに向かってひとしきり笑ったあと。
司は
「ちょうど昼時だもんな。何か食ってくか」
そう言いながら、サイドブレーキを下ろして、車を発進させた。