~グラビアアイドルが芸能界でキラキラな恋に落ちちゃった場合~
「俺も、いるんだ。芸能界に。会いたいっていうか……俺の存在を気づかせたい奴が。だから、俳優を目指した。」


「そうなの!?」


驚いて、忙しくまばたきをしてしまう。


「司の会いたかった人って、誰? もう会えた?」


「相手が誰なのかは秘密。会えたには会えたよ、テレビ局で、チラっと見かけただけだけど」


「へぇ。良かったね」


「でも、相手は、俺の存在にはまだ気づいてない……」


「気づいてないってことはないでしょ。上条司を知らない人なんて、いないと思うけど」


「……」


司が黙り込んでしまったので、何か事情があるのかもしれないと、これ以上この話を突っ込んではいけないような気がした。

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