~グラビアアイドルが芸能界でキラキラな恋に落ちちゃった場合~
「たとえば、どこかの監督が、お前のグラビアを見て、『この脚本の主人公の雰囲気にピッタリだ!』って思って抜擢してくれる可能性だってある。
だから、いつも仕事には100%の力で挑んで、最高の作品に仕上げる努力をするべきだ。
どんなに小さな仕事でもな」


「うん」


「ところで、お前、演技はできるわけ?」


「やったことない」


「じゃあ、今、泣いてみろ」


「は?」


「お前の恋人が事故に会って、今、目の前で死にそうになっているっていう設定で。
はい、泣いて!」


司が、手をパンとたたいて、演技スタートの合図をした。



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