~グラビアアイドルが芸能界でキラキラな恋に落ちちゃった場合~
それから、ウォータースポーツのランキングなどを撮影しているうちに、そろそろ日の暮れる時間となった。


やしの木の隣で寄り添い、海に目を向ける。

潮風が頬をなで、波の音があたし達を包む。

後ろからきゅっと司に抱きしめられて。

夢みたいな、南の島でのデート。

サンセットだけを見ていれば、周りにスタッフがいることも忘れてしまいそうだった。


――これ、撮影じゃなくて、現実だったらいいのに。


ふいにそんなことを思ってしまい、

「何考えてるのよ、あたしってば!」

と、慌てて頭から打ち消した。


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