雪の降る日
「…もしかして、俺のこと覚えてない?」
「あ、違うよ。まさか高校の人に会うと思わなかったから……」
それに、電車の乗る位置も、私は決まって一番前の車両に乗る。
だからなのかはわからないけど、大学に入ってから、行きや帰りに高校の同級生とかには会ったことが無い。
「あぁ、まぁ確かに。…じゃあ、久しぶりに同級生に会ったのが俺なんだ」
「うん、まぁそうだね」
「ふーん…」
山本くんを見ると、何故か少し嬉しそうな顔をしていた。
思えば、山本くんとそんなにまともに話したことがなかったかも。
こんなに話したのは初めてだ。
すると電車がきて、時間帯的になのか空いていて2人とも座ることができた。