雪の降る日
この日
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「椿」
「ん?」
窓の近くに立って外を見ていた私は、匠に呼ばれ振り返った。
こたつに入っている匠のところに戻り、私もこたつに足を入れる。
あの日からアドレスや番号を交換して、たまに会ったりして、今では恋人同士だ。
私はあの頃「山本くん」と呼んでいたのが、今では「匠」と呼ぶようになり、匠も「深谷さん」から「椿」へ呼び方が変わっている。
「外なんかあった?」
「ううん、雪すごいなぁと思って」
「あぁ確かに。結構降ってんな」
「うん」
近くの家の屋根には雪が積もってるし、吹雪いていると言っていいほど、粉雪が強く降っている。