グラウンドに咲く花
今まで黙っていた女の子が始めて話した。
その声はとても綺麗でずっと聞いていたいと思うほどだった。
「あぁ、お願いしていいか?」
「もちろん」
女の子は私達の方を向くとにっこり笑った。
「始めまして。私は上原涼香っていいます。稜の 従兄妹です。これでも一応3年生なんだよ?私はマネージャーをやっているけど、陽菜ちゃんにはマネージャーの仕事も少し覚えてもらいます。あっ、安心して。バッティングの練習も少し教えられるから、一緒にやろうね」
涼香さんはそう言うと微笑んだ。
わ〜、笑った顔も可愛いなぁ〜。
「ところで、結城の守備はどこだったの?」
「えっと、セカンドです」
「あら、私と同じ守備よ。じゃあ守備のことも教えてあげる」
「わ〜、本当ですか?ありがとうございます!」