【短】本命チョコはキミだけに。
「……っ」
告白する前から絢斗の気持ちを知ってしまった。
「う、うぅ……っ」
もう……告白なんてできないよ。
絢斗の気持ちをわかってしまったんだから。
私はその場から人気のないとこに駆け出した。
「ぅ……ふぅ……っ」
ここの廊下なら……あんまり人通らないよね…。
なんでこんなに涙が出るんだろう……。
それだけ、絢斗が好きだったってことだよね。
「萌愛!!!」
すると、廊下には絢斗の声が響いた。
「え……?」
「おい、待てよ」
絢斗が私の肩を掴む。
「なんで泣いて……」
「離してよ!!!放っておいて……っ」
絢斗の手を振り払った。