【短】本命チョコはキミだけに。





「……っ」



告白する前から絢斗の気持ちを知ってしまった。



「う、うぅ……っ」



もう……告白なんてできないよ。



絢斗の気持ちをわかってしまったんだから。



私はその場から人気のないとこに駆け出した。



「ぅ……ふぅ……っ」



ここの廊下なら……あんまり人通らないよね…。



なんでこんなに涙が出るんだろう……。



それだけ、絢斗が好きだったってことだよね。



「萌愛!!!」



すると、廊下には絢斗の声が響いた。



「え……?」



「おい、待てよ」



絢斗が私の肩を掴む。



「なんで泣いて……」



「離してよ!!!放っておいて……っ」



絢斗の手を振り払った。
< 16 / 20 >

この作品をシェア

pagetop