【短】本命チョコはキミだけに。
今の……幻聴?
「だから……それ、俺にくれ。さっきチョコいらないとか好きじゃないとか言ったの……恥ずかしかっただけだし。それに毎年お前以外のチョコは渡されても断ってたし」
「あ、やと……っ」
ウソ……絢斗と両想いだったなんて……。
しかも毎年私のだけしか受け取ってなかったなんて……知らなかったよ……。
「これ……っ絢斗のために作ったの……っ」
「え?」
絢斗はびっくりして、私を解放した。
「最っ初から、絢斗にあげるつもりだった……」
「ウソ……」
「だから……はい」
私はこぼれる涙を拭いながら、絢斗に渡した。
「マジで俺に……!?」
「その証拠に……中身見てよ」
リボンを解いて中を見た絢斗はびっくりした表情だった。
「ブラウニー……か?」
「うん……っ!」
「さんきゅ」
そう言って私の頭にいつものように手を置いた。