【短】本命チョコはキミだけに。
「この機会に気持ち、伝えたらいいのに」
「でも……絢斗は私のこと、嫌いだもん……」
私にはすっごくいじわるで、他の子みたいに優しくされないもん。
「はぁ……。もっと自信もちなよ?絢斗くんが他の女の子に取られてもいいの?」
「だ、ダメ……!」
だけど勇気が出ない。
「じゃあ気持ちをちゃんと伝えな?告白は、しておけばよかった、って後悔してからじゃ遅いんだからね!」
「そう、だよね」
絢斗が誰かと付き合ってからじゃ、遅い。
告白しておけばよかったって後悔したくないもん。
「せっかく、バレンタインという素敵な行事があるんだから、頑張りなよ!!」
「うん、私……頑張ってみる!」
私のガッツポーズに莉桜は「よしよし」と頷いた。
よし、こうなったら絶対美味しいチョコ作らなきゃ!
私は固く決心した。