彼となら、   熱くなれる
「パパ、今夜は遅いから先に寝てて。じゃ、行ってきます。」

「ああ、気をつけて。」

兄と姉はそれぞれ一人住まいだが、私は父の産婦人科医院兼自宅からペットクリニックへ通勤していた。

ローテーションで深夜勤務もあるが、今夜はデートだから帰宅が遅くなって父に心配をかけたくなかったのでああ言ったまでだ。

「珠良、別れよう、今日限りだ。」突然の彼の言葉に私はあきらめを感じた。

「どうして?」一応聞いてみた。

「悪いが、相性が合わないんだ。」

「相性?」

「君は性格は申し分ないが、どうしても、何度やってもダメなんだ。君が感じてくれないとやっても意味ない。」

「ごめんなさい。」

「僕じゃ、ダメなんだよ。」

「・・・・・」

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