彼となら、   熱くなれる
γ.禁断ラブ
私は兄のマンションからペットクリニックへ通勤する日が週に1~2度あった。

私が兄と愛し合うようになって数ヶ月経った。

別に何も変わらなかった。

毎日の診療も、休日も、父との会話も、ただ一つだけ私が気になることがあった。

亡くなった母が空から見ているだろうかと思っただけで、罪の意識がじわりと胸に染み付いた。

それが日に日に少しずつシコリになっていくような気がした。

母の悲しむ顔が頭に浮かぶ日もあった。

そういう日は気分が沈み、絶望に包まれた1日を過ごすことになるとわかっていた。

そしてその夜は兄の腕の中でとことん甘え、偽りの自分を取り戻してなだめ、兄との激しい交わりに溺れて気持ちを沈めた。

私はいつからこんなことの繰り返しをしてきたのだろうか。

兄はそんな私に気づいているだろうか。

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