彼となら、   熱くなれる
「いつも堂々巡りだ。いつまで続くと思う?」

「終わりがあるの?認めたくないけれど必ず終わりが来るとわかっているつもり。でも今はまだ終わりたくないの。兄さんに愛されたいの。」

「俺も同じだ。今はまだ終わりたくない。俺だけのものでいて欲しい。屈折した愛と言われようが構わない。また振り出しだ。そしてまた明日がやってくる。そうしてじわじわと苦しんでいくんだ。そのうち息がつまる。泥沼の中でもがくんだ。俺もおまえも真実がわからなくなって壊れる。珠良、おまえにだって見えているはずだ。そうなるとわかっているはずだ。」

兄は妹である私を愛した。

今夜も私を抱いてお互いの想いをぶつけ合った。

私を求める兄の唇に応えた。

何度も私を自分のものにして確認したがった、想いが偽りでないことを。

私は全身で感じたかった。

兄の唇、舌、指先から伝わってくる彼の想いを一つ残らず感じたかった。

「珠良、これ以上無理だ。おまえが壊れる。」突然兄が私から離れた。

「どうして?」

「どうもこうもない。おまえ、狂い過ぎだ。いい加減にしろよ。」

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