彼となら、   熱くなれる
小屋が見えた。

私には物置にしか見えなかった。

でも取りあえず雨をしのぐことができた。

「レスキュー用の小屋です。何もないよりマシでしょう?」

「ええ、本当に。」

私も雨具を脱いでホッとした。

タオルで雨水を拭い、木のベンチに腰掛けた。

二人でポットの熱いお茶を飲んだ。

「小やみになったらすぐ出ましょう。この雨、晴れるとは思えません。」

「そうですか、森下さんにはわかるのね?」

「もっとよくないことも予想していますよ。」

「えっ?」

「この降り方、変でしょう?」

「変?」

「地球温暖化は氷山を溶かすだけではないんですよ。ごく普通の山々にも少しずつ影響が出ています。」

「どういうことかしら?」

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