彼となら、   熱くなれる
「で、登山道は流れる川となっていた。川が1本増えたようなものだ。下山は無理だ。今夜はおとなしくここに泊まろう。いい?」

「仕方がないのね、明日は大丈夫かしら?」

「たぶん今よりマシだと思う。」

「これより悪くなるわけないわ。今日は最低なんだもの。」

「そうだな、この小屋が流されなければの話しだ。」

「そんなにひどいの?」

「そう、だからシュラフの中で素っ裸にならない方がいい。」

「冗談言わないで!」

私は小屋の中でまたウロウロした。

これ以上悪くなってたまるもんですか。

私も昨日下山するんだった。

今更思っても仕方がなかった。

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