彼となら、   熱くなれる
バタンッ!

小屋のドアが開いた。

森下さんが戻った。

「すぐに下山する。須藤、秋山を連れてきたから岸本さんを二人でガードするんだ。」

「はい。」

秋山さんという隊員も森下さんの後輩なのかしら?

隊員たちの額にはヘッドライトが点灯していた。

「守口先生は僕と、彼らの前を歩きます。ぴったりついて来てください。」

「はい。」

豪雨の中の下山は思っていたよりも歩きづらくなかった。

腕を負傷した岸本さんの消耗を心配しながら、森下さんのすぐ後ろをたどった。

ふもとの登山口には救急車と、山岳隊の4WDが2台待機していた。

岸本さんと私は救急車に乗って病院へ運ばれた。

続いて2台の4WDが後ろを走った。

病院で必要な手続きを済ませ、岸本さんを無事入院させてから、森下さんたちと本部へ向かった。

彼らの報告を待つ間、私は毛布にくるまっていた。

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