彼となら、   熱くなれる
「それがペット禁止の山に犬を連れて入った登山客がいまして。」

「まぁ!」

「久保先生の出番となりまして。」

「須藤さんも大変ですね。」

「やはりテグスに足をやられたものですから。」

「かわいそうに。」

「久保先生が駆けつけてくださった次第でして。」

「最近は飼い主のペットに対する過保護が目立ちます。かと思えばおかしな所で目を離す。」と久保先生が話し始めた。

「傷はどうでしたか?」私は犬の症状が気になった。

「それが飼い主の方がひどく取り乱されて困ったんですよ。テグスが足に絡んだのはパトロールがなっちゃないせいだとおっしゃって。」須藤さんが納得できないように言った。

「大変でしたね。」私は彼に同情した。

「傷は肉に食い込むまでいってなかったので軽くすみましたよ。」

「よかったわ。ホッとしました。」

「じゃ、私は病院へ戻ります。」

「久保先生、ありがとうございました。」私は須藤さんと先生を見送った。

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