彼となら、   熱くなれる
「遅れてすみません。」

「敬吾さん!」私はびっくりして席を立った。

「珠良、それじゃ君の?」遅刻してきた息子さんは敬吾さんだった。

苗字が違うけれど。

「何だ、珠良?敬吾くんを知っているのか?」父が言った。

「だって、私たち。」と私が言うと同時だった。

「あっはっは。」突然兄が笑い出した。

「兄さん?」私は兄を凝視した。

「すごい運命だと思って。」皆が兄を見た。

「珠良、あなた、彼と付き合っているの?」姉は鋭かった。

私に向けた目はすでに確信に満ちていた。

「はい、僕は彼女と付き合って2年になります。」敬吾さんが言った。

「んまぁ、敬吾!私にはひとことも言わないで。」今度は和香さんが驚いて口を開いた。

「守口先生のお嬢さんだと知っていたら。」

「知っていたら、どうだって言うんだい、母さん?」

「反対しているわけではないのよ。先生もそうお思いですよね?」

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