星になれたら。
すると杉本さんと言うらしい目の前の男の人は笑い出した。
お腹を抱えて目には涙まで浮かんでいる。
…何もそんなに笑わなくても。
ちょっとムッとしてしまう。
一頻り笑うと涙を拭いながらこちらを見た。
「スミマセン。笑ったりして。貴女が可笑しいんじゃ無いんです。でも何だか笑えてしまって」
そういって苦笑いする彼は悪い人には見えない。
「…違うんですか?」
「違いますよ。その逆です」
まじめな顔を作り
「俺、天使なんです」
言われた一言。
…え。えぇ?!
信じられない。だって、だって…。
思わず上から下まで見てしまう。
まじまじと見つめるも、とても天使には見えなかった。
翼も無いし、何よりスーツを着た天使なんて聞いたことがない。
「天使って白い羽根が生えてるんじゃないんですか?」
私の問いかけに彼は
「そんなのは人間の勝手な想像です。まぁ俺も天使になる前はそう思ってたんですけどね」
と笑う。
「えっ。と言うことは杉本さん。天使になる前は人間だったんですか?」
「えぇ、まぁ」
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