メゾン・ド・リリィ
The boy wearing glass~メガネをかけた少年~
雨はまだ降り続いている。
4月っていってもまだ少し肌寒くて、風が吹く度に、雨で濡れた箇所がすごく寒い。
隣を歩いている山本さんはというと、相変わらず楽しそうに何か喋っている。
最初のほうは聞いていた。けど、雨が傘に当たる音と長旅の疲れが子守歌のように眠気を誘うから、今では「はい」とか「そうなんですかぁ」とかで適当にごまかしている。
今僕の意識をつなぎ止めているのは、歩く度にビチョビチョ音がするズボンの不快感だけ。
もう何度目か分からない眠気と戦っていた時だった。
4月っていってもまだ少し肌寒くて、風が吹く度に、雨で濡れた箇所がすごく寒い。
隣を歩いている山本さんはというと、相変わらず楽しそうに何か喋っている。
最初のほうは聞いていた。けど、雨が傘に当たる音と長旅の疲れが子守歌のように眠気を誘うから、今では「はい」とか「そうなんですかぁ」とかで適当にごまかしている。
今僕の意識をつなぎ止めているのは、歩く度にビチョビチョ音がするズボンの不快感だけ。
もう何度目か分からない眠気と戦っていた時だった。