メゾン・ド・リリィ
「ゴメンゴメン!!」


さすがに嫌な予感がしたのか、山本さんはヒィヒィ言いながら謝ってきた。


「でも想太、なんであそこが『さくらトンネル』って呼ばれてるか知ってるか?」


「そんなの知らないですよ。」


目も合わせないで答える。


「そんなに怒るなよぉ~、なっ?これやるから!」


「ぶふっ!!」


強引に口に飴玉を押し込まれた。


山本さんは、飴玉を僕の口に押し込んだことで満足したのか、隣でニコニコ笑っている。


それを見てると、こっちもつられて笑ってしまった。


ダメだ、この人には敵わない。


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