メゾン・ド・リリィ
「あった!!!!」


前方20mくらい。


うっすらと光が洩れているそれは、間違いなく出口だった。


自然と走るスピードも上がってくる。


トンネル内の冷気を切り裂いて走り抜ける姿は、さながらメロスだったに違いない。


けど現実は甘くない。


頭で思ってる程身体は動かなくて、そのギャップは足をもつれさせ、出口寸前、僕は盛大に転んだ。


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