メゾン・ド・リリィ
もしかしてあの写真の女の子じゃ…


僕が入居するのを知ってて迎えに来てくれたとか…


ちょっと歩いたらそこの雑木林から花束を持って出て来てくれたり…


ニヤニヤ妄想に耽っている僕を現実に戻したのは、擦りむいた右膝のチクチクした痛みだった。



ハッ、こんなことしてる場合じゃなかった!


慌てて走り出す。



道は全く分からないけど、不思議と不安にはならなかった。



時刻は8時30分をまわろうとしている。



< 44 / 51 >

この作品をシェア

pagetop