メゾン・ド・リリィ
建物が建っているとすれば、あの樹の裏に隠れているか、もう通り過ぎてしまったかのどちらかしかない。


可能性は限り無く0に近かった。


それでも、もう一度あの暗い雑木林に入るくらいだったら広場で野宿するほうが100倍マシだったから、僕は広場まで下りることにした。



やっぱりね、予想通り。


樹があるだけで他に変わったものなんて何もない。


予想と違ったとすれば樹のサイズくらい。


思ったよりも大きい。どうでもいい。


< 50 / 51 >

この作品をシェア

pagetop