雪恋ふ花 -Snow Drop-

「リフトで山のてっぺんについて、私だけ初級コースを迂回して、それから……」

春人はイライラして、質問を重ねる。


「どこで落ち合う約束だった?」

「えっと、4人乗りのリフト乗り場があるからって」

「よし、とりあえずそこへ行ってみよう。俺について来て」


春人はゆっくりと滑り始めた。
途中で後ろを振り返ると、また彼女が転んでいる。
軽くため息をつきながら、来た道を引き返して、立ち上がるのを助けた。

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