雪恋ふ花 -Snow Drop-
それは、あまりにも自然で、いつそうなったのかは、思い出そうとしても思い出せなかった。
春人と向かい合って座った珠の小さな体は、春人の足の上に優しく抱えられていた。
お互いの乱れた呼吸、上気した頬、触れ合う肌の温度、何もかもに珠は酔っていた。
春人の色っぽい視線に見つめらて、体の中から何かが溶け出していくような気がしていた。
それは、じわじわと全身に広がっていき、もっともっとと求めたくなるようなものだった。
幾度となく大きな波が押し寄せ、また引いていき、もうどこまでが自分の体なのかわからなくなっていた。
二人でどんどん高い所まで上りつめ、何かがはじけ飛んだ。