雪恋ふ花 -Snow Drop-
「僕とつきあってください。
初めは"まさかのときの友"でも、
さみしい時に"友を求める"のでも
かまわないから」
「春さん……」
珠が今にも泣き出しそうな顔をする。
「ごめんね、どうしても自分の思いが止められなくて」
「ありがとう」
珠が言った。
「えっ?」
「そんなふうに言ってくれて。
ねえ、春さん、ちょっとだけ、ここで待ってて。
すぐ、戻ってくるから」
そう言うと、珠はパタパタと走って出て行ってしまった。