雪恋ふ花 -Snow Drop-

「この目も、鼻も、口も好きだよ」

春人が順番に指で触れていく。

「猫みたいに柔らかい髪の毛も、ぷくぷくのほっぺたも」

「もう、くすぐったい。やめて」

珠は春人の手から、逃れようとする。


「それから、こうやって、猫みたいにいつでもだっこできるのも、気に入ってるよ。小さくて、ふわふわでかわいい」

珠がくすぐったそうに、身をよじる。


「それから、ここも」

春人が珠のあまり大きくはない胸に手をあてた。



「柔らかくて、すごくさわり心地が良かったよ」


耳元でそっとささやかれて、珠が真っ赤になる。


「それに、ここも」

春人にお尻をつままれて、珠がきゃっと悲鳴をあげる。

「ぷりぷりの桃尻って、このことだよね? 真っ白でかわいかった」

春人の目がどんどん、怪しげな光に変わっていく。

「春さん、もうわかったから、いい」

「だ~め、まだ終わってないから、じっとしてて」


珠が次はどこに来るのかと、びくびくしていたら、耳に熱い息がかかって、思わずびくりと体がはねる。


「敏感でかわいい耳も好き」

言い終わった春人がぱくりと耳たぶをくわえたので、珠はたまらず身をくねらせる。

「んっ...」

「その声も、ぞくぞくするくらい好き。もっと聞かせて」

耳をペロリとなめられて、とうとう珠は「ふあっ」と声をあげた。


「それから、てのひらに吸いつくようなすべすべの肌も好き。さわっていい?」


珠は首をふったのに、春人はにっこり微笑んで、ブラウスの裾から手をさしこみ、ウエストのあたりをさわさわとなでた。

その手の動きがたまらなくエロチックで、珠はまたもや声をもらした。

「まだまだあるんだけど、この唇、いつまでも味わってたい。感触も温度も僕好み」

春人はうれしそうに言いながら、そのままキスを始めた。
キスはどんどん深くなり、春人の手が言葉の代わりに語り出す。

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