雪恋ふ花 -Snow Drop-
「ごめん、またなし崩しにするところだった」
春人がグッと珠の体を押しやる。
キスに翻弄されていた珠は、わけがわからず、驚いて目を開けた。
「とりあえず、お風呂に入っておいで」
「えっ?」
珠は展開についていけず、目をしばたいた。
「いや、僕としてはこのまま突っ走りたいところなんだけど、今日はちゃんと大人の余裕を見せようと思って」
「あの……」
「今日は帰したくないんだけど……」
「……」
「ほんとは、もっとゆっくり進めるつもりだったけど、やっぱり無理みたい」
そんなことを熱い瞳でささやかれて、珠はもうどうしていいかわからなかった。