雪恋ふ花 -Snow Drop-
「疲れたか?」
「だいじょぶ。春さんこそ、ごめんなさい。しゃべり続ける任務、放棄して」
「いや、別に。説明が必要なら一緒に行くけど?」
「え?」
「それで、悩んでるんじゃないのか、さっきから」
「ちがうの。賢ちゃんの機嫌、なおってたらいいなと思って」
「あっそう。おまえさ……」
春人が何かいいかけて、言葉をとぎらせた。
モーニングを食べ終わると、珠は何度もお礼を言って一人で帰って行った。