雪恋ふ花 -Snow Drop-

「とりあえず、板を履こう。ストックは持ってるね。あと、なくしたものは?」

「帽子がどこかに行っちゃって」

「わかった。ここで、じっとしてて」


春人は彼女が転んでいたあたりから、ポンポンのついたスカイブルーのニット帽を拾ってきて手渡す。

「ありがと」

彼女が弱々しく微笑んだ。




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