天使のアリア––翼の記憶––
04 接近
一面白の世界にいるのは、私一人。
何もない空間に私一人取り残されたようにも感じてしまう。
周りを見渡しても誰もいない。
寒くもなければ温かくもない。
上もなければ下もない。
ここは、どこ?
すると不意に、
"……........…き…こ……"
声が聞こえた。空間に響いている。
誰?
周りを見渡しても一面黒い世界があるだけだ。何も見えない。何も分からない。
"………つ…きこ…"
ねぇ、貴方は誰なの?
"……月子…"
陽だまりのように優しく私を呼ぶ、貴方は、一体…
"……歌姫を……"
そこで一面白の世界に影がさす。
まるで白いシャツに付着した墨汁のように、黒い光が世界を包んでいく。
それは恐怖でもあった。闇が心を支配するように思われたためだ。
けれど黒く染まる世界に残された僅かな白は、まるで夜空に煌めく星のようにも感じられた。
その光はみるみる小さく細くなっていき、闇も深まる。
待って、私はまだ知りたいことがあるの。
けれど世界は黒い。まるで先ほどまでの白など知らないように。
夜の闇よりずっとずっと深い闇が、世界に広がった–––––––––––
何もない空間に私一人取り残されたようにも感じてしまう。
周りを見渡しても誰もいない。
寒くもなければ温かくもない。
上もなければ下もない。
ここは、どこ?
すると不意に、
"……........…き…こ……"
声が聞こえた。空間に響いている。
誰?
周りを見渡しても一面黒い世界があるだけだ。何も見えない。何も分からない。
"………つ…きこ…"
ねぇ、貴方は誰なの?
"……月子…"
陽だまりのように優しく私を呼ぶ、貴方は、一体…
"……歌姫を……"
そこで一面白の世界に影がさす。
まるで白いシャツに付着した墨汁のように、黒い光が世界を包んでいく。
それは恐怖でもあった。闇が心を支配するように思われたためだ。
けれど黒く染まる世界に残された僅かな白は、まるで夜空に煌めく星のようにも感じられた。
その光はみるみる小さく細くなっていき、闇も深まる。
待って、私はまだ知りたいことがあるの。
けれど世界は黒い。まるで先ほどまでの白など知らないように。
夜の闇よりずっとずっと深い闇が、世界に広がった–––––––––––