天使のアリア––翼の記憶––
歩きながら周りを見渡していると、子供たちが芝生の上を走り回っている姿が見えた。皆同じような服を着ているから、きっとここで入院している子たちだろう。
けれど、入院しているようには見えないほど、生き生きと走り回っている。そこら辺にいる子供たちと何ら変わりがない。
そう思って反対側の芝生を見渡した時、息が止まるような感覚を覚えた。
遠くの方で、あの子たちと同じ服を着た女の子が倒れている。
「月子!?」
何も考えられないまま、私は走り出した。
「大丈夫!?」
駆けつけると、倒れている子供の頭の上の方に動物の兎がいた。真っ白な、兎。なんで? なんでこんなところに兎が?
「月子? どうしたんだ、その子?!」
藍羅先輩が追いかけてきてくれた。
「ん…」
抱き起すと、女の子は目を開けた。
「あ、おはよう」
ふにゃ、と天使のようにやわらかな笑顔で挨拶してくれたので脱力した。
お、おはようって…
「おはよう。気分はどうだ?」
藍羅先輩は突っ込みなしですか!?
女神の如く慈悲深い笑みを浮かべて優しく問うた先輩に愕然としていた。
「だいじょうぶ、ちょっときもちよくて、ねてただけだから…」
ゴシゴシと目をこすって笑った女の子を見て、はっと気づいた。
この子、オッドアイだ。
左目はまるで宝石のような水色に近い青色で、右目はまるで琥珀のような黄金色。その両方の色とも透き通っている。とても綺麗だと思った。
そして、可愛らしく美しいそのお顔立ちは、もうお人形さんのようだった。
ぱっちり大きな目に、びっしりと生えそろったまつ毛。
潤った唇はさくらんぼ色で、肌の色は雪のように白い。
ダメージの一切ない髪の毛は繊細な淡い金色でウェーブがかかっていて、はっとするほど美しい。
彼女を構成する全てのパーツが完璧なまでに作られている。なんという美しさ。
見た目から判断するに、6,7歳くらいだろうか。とても美しい少女だ。
けれど、入院しているようには見えないほど、生き生きと走り回っている。そこら辺にいる子供たちと何ら変わりがない。
そう思って反対側の芝生を見渡した時、息が止まるような感覚を覚えた。
遠くの方で、あの子たちと同じ服を着た女の子が倒れている。
「月子!?」
何も考えられないまま、私は走り出した。
「大丈夫!?」
駆けつけると、倒れている子供の頭の上の方に動物の兎がいた。真っ白な、兎。なんで? なんでこんなところに兎が?
「月子? どうしたんだ、その子?!」
藍羅先輩が追いかけてきてくれた。
「ん…」
抱き起すと、女の子は目を開けた。
「あ、おはよう」
ふにゃ、と天使のようにやわらかな笑顔で挨拶してくれたので脱力した。
お、おはようって…
「おはよう。気分はどうだ?」
藍羅先輩は突っ込みなしですか!?
女神の如く慈悲深い笑みを浮かべて優しく問うた先輩に愕然としていた。
「だいじょうぶ、ちょっときもちよくて、ねてただけだから…」
ゴシゴシと目をこすって笑った女の子を見て、はっと気づいた。
この子、オッドアイだ。
左目はまるで宝石のような水色に近い青色で、右目はまるで琥珀のような黄金色。その両方の色とも透き通っている。とても綺麗だと思った。
そして、可愛らしく美しいそのお顔立ちは、もうお人形さんのようだった。
ぱっちり大きな目に、びっしりと生えそろったまつ毛。
潤った唇はさくらんぼ色で、肌の色は雪のように白い。
ダメージの一切ない髪の毛は繊細な淡い金色でウェーブがかかっていて、はっとするほど美しい。
彼女を構成する全てのパーツが完璧なまでに作られている。なんという美しさ。
見た目から判断するに、6,7歳くらいだろうか。とても美しい少女だ。