天使のアリア––翼の記憶––
「もっと落ち着きをもって学校に来ないとー。いつもそんな感じだよー? 大丈夫なのー?」
確かに。最近は遅刻との戦いが続いている。
最近は演奏会シーズンということもあって自分で言うのも何だが、結構忙しいのだ。
今週末にはまた演奏会の予定が入っている。
そんな日々を繰り返しているので、ゆっくり朝ごはん、なんて、遠い日の思い出である。
「本当に月子は阿呆だよなー」
声だけで既に私にイライラを与えるのは、無論、ウサギヤローだ。
「あんただけには言われたくないわよ!」
他の誰に言われたとしても、ウサギだけには言われたくない。
自分よりも阿呆な奴に阿呆と言われることほどイライラすることはない。
「んなイラつくなよなー。俺はただ阿呆に阿呆だって言っただけだろ?」
「だーから、あたしはあんたよりマシだっつーの!真面目な顔してそんなこと言わないでよ!」
「だって本当のことだろ?」
「はいはい、二人ともそこまでー」
いつも通り、乙葉の仲裁が入って、二人とも戦意を喪失する。
「もー、二人とも喧嘩しないでよー?」
乙葉が腰に両手を当てて私達をたしなめる。もうなんだかお母さんみたいだ。
「月子が阿呆なことしなければ喧嘩にはなんねーよ」
ウサギが大真面目な顔をする。溜息までつく始末。
「バカウサギ、だれが阿呆だって?」
握りしめた拳がプルプルと震える。何故かって、無論、怒りのためだ。
私の癒し姫、乙葉様によって消失されたはずの戦意がフツフツと湧き上がる。
いつにもましてムカつくウサギだ。
「あー? 聞こえなかったのか? しょうがねぇなあ、もう一回言ってやるよ。阿呆なのはお前だよ」
お・ま・え、と言葉とともに人差し指を私に指す。一々行動がムカつく。
「それはばっちり聞こえてるっつーの、このバカウサギヤロー!私の聴力バカにしないでよ!」
子供みたく喧嘩する私達を止めるのは、やぱり、
「二人ともー、そこまでだってばー」
癒し姫、乙葉様だ。
けれど乙葉様はどうやらお怒り状態である。効果音を付けるなら、プンプン、と言ったところか。
確かに。最近は遅刻との戦いが続いている。
最近は演奏会シーズンということもあって自分で言うのも何だが、結構忙しいのだ。
今週末にはまた演奏会の予定が入っている。
そんな日々を繰り返しているので、ゆっくり朝ごはん、なんて、遠い日の思い出である。
「本当に月子は阿呆だよなー」
声だけで既に私にイライラを与えるのは、無論、ウサギヤローだ。
「あんただけには言われたくないわよ!」
他の誰に言われたとしても、ウサギだけには言われたくない。
自分よりも阿呆な奴に阿呆と言われることほどイライラすることはない。
「んなイラつくなよなー。俺はただ阿呆に阿呆だって言っただけだろ?」
「だーから、あたしはあんたよりマシだっつーの!真面目な顔してそんなこと言わないでよ!」
「だって本当のことだろ?」
「はいはい、二人ともそこまでー」
いつも通り、乙葉の仲裁が入って、二人とも戦意を喪失する。
「もー、二人とも喧嘩しないでよー?」
乙葉が腰に両手を当てて私達をたしなめる。もうなんだかお母さんみたいだ。
「月子が阿呆なことしなければ喧嘩にはなんねーよ」
ウサギが大真面目な顔をする。溜息までつく始末。
「バカウサギ、だれが阿呆だって?」
握りしめた拳がプルプルと震える。何故かって、無論、怒りのためだ。
私の癒し姫、乙葉様によって消失されたはずの戦意がフツフツと湧き上がる。
いつにもましてムカつくウサギだ。
「あー? 聞こえなかったのか? しょうがねぇなあ、もう一回言ってやるよ。阿呆なのはお前だよ」
お・ま・え、と言葉とともに人差し指を私に指す。一々行動がムカつく。
「それはばっちり聞こえてるっつーの、このバカウサギヤロー!私の聴力バカにしないでよ!」
子供みたく喧嘩する私達を止めるのは、やぱり、
「二人ともー、そこまでだってばー」
癒し姫、乙葉様だ。
けれど乙葉様はどうやらお怒り状態である。効果音を付けるなら、プンプン、と言ったところか。