天使のアリア––翼の記憶––
その争いでは、きっと、我が華原家とテロ集団竹取会が戦うことになるだろう。
そんなことになれば、きっと友達思いで情の熱い私の幼馴染達は黙っていないのだろう。
危ないから首を突っ込むな、と言われて、黙っていられる人達ではないのだ。言ったところで無駄なのだ。
二人とも、『薄情なことを言うな!』と怒り、何も恐ることなく余裕そうな表情で戦いの最前線へ立つに違いない。
そんな怖いもの知らずの彼らを、こんな危ない目に合わせるわけにはいかない。合わせたくない。
彼らが私を守ろうとしてくれるように、私も彼らを守りたい。彼らは私のかけがえのない大切な存在だから。
彼らは、絶対に死なせない。
「あぁ、任せとけ」
ウサギはそう言って笑った。
そこからは不安は微塵も感じられなくて、自信しかないように思えた。
そして思う。
世の中の乙女はきっとこの笑顔に惚れるのだろうな、と。
確かに幼馴染の私が見ても素敵な笑顔だなとは思う。
生憎、私は乙女チックな思考を持っていないのでそういったことには無縁なのだけれど。
それに相手がウサギだという時点で、ない。あり得ない。
「お前、ほんっとに可愛くないよなぁ。普通こんなこと言われれば顔でも赤くなるのに」
お前らしいけどよ、とボヤいているウサギ。さっきの不敵な笑みはどこへやら。ちぇっと舌打ちしている。
「悪かったわね、可愛げがなくて! どうせ私は乙葉ほど可愛らしくないですよーだ!」
腕を組み、ふんっと顔をそらす。
いや、ウサギに可愛いと思われたいなんて思ったことは微塵もないけど。
私は、乙葉や藍羅先輩、七星先輩みたいに美形でもないし、ケータイ小説によくいるような可愛い無自覚美少女でもなんでもない。
THE・平凡だもん。
それでも、私だって女の子だ。可愛くなりたいって気持ちだって、少なからずある。
「はぁ?」
ウサギが、訳が分からない、という苛立った顔をした。
ウサギのその顔が、私は世界でいちばん嫌いだ。
そこでチャイムが鳴り響く。あと5分で午後からの授業が始まる。
「チャイム鳴ったからもう行くね。次の授業は移動教室だから」
そう言い残して、私はウサギの元を去った。
「おい、待て!」と焦るウサギを完全に無視して、教科書、ノートとペンケースを持つと次の教室へと向かった。
そんなことになれば、きっと友達思いで情の熱い私の幼馴染達は黙っていないのだろう。
危ないから首を突っ込むな、と言われて、黙っていられる人達ではないのだ。言ったところで無駄なのだ。
二人とも、『薄情なことを言うな!』と怒り、何も恐ることなく余裕そうな表情で戦いの最前線へ立つに違いない。
そんな怖いもの知らずの彼らを、こんな危ない目に合わせるわけにはいかない。合わせたくない。
彼らが私を守ろうとしてくれるように、私も彼らを守りたい。彼らは私のかけがえのない大切な存在だから。
彼らは、絶対に死なせない。
「あぁ、任せとけ」
ウサギはそう言って笑った。
そこからは不安は微塵も感じられなくて、自信しかないように思えた。
そして思う。
世の中の乙女はきっとこの笑顔に惚れるのだろうな、と。
確かに幼馴染の私が見ても素敵な笑顔だなとは思う。
生憎、私は乙女チックな思考を持っていないのでそういったことには無縁なのだけれど。
それに相手がウサギだという時点で、ない。あり得ない。
「お前、ほんっとに可愛くないよなぁ。普通こんなこと言われれば顔でも赤くなるのに」
お前らしいけどよ、とボヤいているウサギ。さっきの不敵な笑みはどこへやら。ちぇっと舌打ちしている。
「悪かったわね、可愛げがなくて! どうせ私は乙葉ほど可愛らしくないですよーだ!」
腕を組み、ふんっと顔をそらす。
いや、ウサギに可愛いと思われたいなんて思ったことは微塵もないけど。
私は、乙葉や藍羅先輩、七星先輩みたいに美形でもないし、ケータイ小説によくいるような可愛い無自覚美少女でもなんでもない。
THE・平凡だもん。
それでも、私だって女の子だ。可愛くなりたいって気持ちだって、少なからずある。
「はぁ?」
ウサギが、訳が分からない、という苛立った顔をした。
ウサギのその顔が、私は世界でいちばん嫌いだ。
そこでチャイムが鳴り響く。あと5分で午後からの授業が始まる。
「チャイム鳴ったからもう行くね。次の授業は移動教室だから」
そう言い残して、私はウサギの元を去った。
「おい、待て!」と焦るウサギを完全に無視して、教科書、ノートとペンケースを持つと次の教室へと向かった。