天使のアリア––翼の記憶––
「他には?」
「…以上です…」
はぁ、と先輩2人は溜息を吐いた。
「他の2人は、何か知っていることある?」
うなだれる私に呆れた七星先輩はウサギと乙葉を見たが、二人とも首を横に振った。
「それだけの情報しか持ってないのに、竹取会に立ち向かおうとしているの? 無謀すぎだと思わないの?」
「「「すいません…」」」
なぜか3人声を揃えて謝った。しゅんと消え入りそうな頼りない声だった。
「…なぜ、謝る」
北斗先輩が言った。
「別に謝る必要なんて何もないわよ。私達が持っている情報をあげるもの」
私達は仲間なんだもの、と七星先輩はいつもと同じ慈悲深い微笑みをくださった。
ありがとうございます、と3人声を揃えてお辞儀すると、そこから美形双子による竹取会講義が始まった。
「そもそも、竹取会ってどういう組織なんですか?」
ウサギの質問に七星先輩が答える。
「竹取会は、社会から追いやられた人々で作られた組織なの。差別とか、経済的貧困とか、リストラとか、色々と理由はあるみたいだけど」
「そうだったんですねー」
乙葉が納得したように頷いた。
「自分を社会から追いやったモノやことに復讐すること、彼らはそれを目的としている」
哀しいことね、と七星先輩は呟くように言った。
「そのことしか考えられなくて、それに人生をかけているの。本当に、寂しい」
ずんと重い空気が流れ込む。
ふと思い出した。ずっと気になっていたこと。
「そういえば、あの時先輩が言った、旦那派とか若旦那派とかって何ですか?」
あの時、竹取会に遭遇したとき、先輩は確かにこの単語を口にしていた。気になっていたけれど、聞けなかった。
「竹取会は、旦那と呼ばれるボスが作り取り仕切っているの。その人は武力を重視している人物よ。そしてその息子は若旦那と呼ばれていて、彼は旦那と正反対の思考をしているようで、その二人は対立しているらしいわ」
「それで竹取会の構成員の中でも…」
乙葉の言葉に、えぇ、と先輩は頷いた。
「旦那派と若旦那派に分かれているの」
そして話を続けた。
「旦那派はヤンチャで武力重視な人が多いわね。銃を持っていることが多いわ。例えば月子ちゃんをよく攻撃してくるような人達よ。彼らは旦那派ね」
あの柄が悪い人達か、と納得する。
「…以上です…」
はぁ、と先輩2人は溜息を吐いた。
「他の2人は、何か知っていることある?」
うなだれる私に呆れた七星先輩はウサギと乙葉を見たが、二人とも首を横に振った。
「それだけの情報しか持ってないのに、竹取会に立ち向かおうとしているの? 無謀すぎだと思わないの?」
「「「すいません…」」」
なぜか3人声を揃えて謝った。しゅんと消え入りそうな頼りない声だった。
「…なぜ、謝る」
北斗先輩が言った。
「別に謝る必要なんて何もないわよ。私達が持っている情報をあげるもの」
私達は仲間なんだもの、と七星先輩はいつもと同じ慈悲深い微笑みをくださった。
ありがとうございます、と3人声を揃えてお辞儀すると、そこから美形双子による竹取会講義が始まった。
「そもそも、竹取会ってどういう組織なんですか?」
ウサギの質問に七星先輩が答える。
「竹取会は、社会から追いやられた人々で作られた組織なの。差別とか、経済的貧困とか、リストラとか、色々と理由はあるみたいだけど」
「そうだったんですねー」
乙葉が納得したように頷いた。
「自分を社会から追いやったモノやことに復讐すること、彼らはそれを目的としている」
哀しいことね、と七星先輩は呟くように言った。
「そのことしか考えられなくて、それに人生をかけているの。本当に、寂しい」
ずんと重い空気が流れ込む。
ふと思い出した。ずっと気になっていたこと。
「そういえば、あの時先輩が言った、旦那派とか若旦那派とかって何ですか?」
あの時、竹取会に遭遇したとき、先輩は確かにこの単語を口にしていた。気になっていたけれど、聞けなかった。
「竹取会は、旦那と呼ばれるボスが作り取り仕切っているの。その人は武力を重視している人物よ。そしてその息子は若旦那と呼ばれていて、彼は旦那と正反対の思考をしているようで、その二人は対立しているらしいわ」
「それで竹取会の構成員の中でも…」
乙葉の言葉に、えぇ、と先輩は頷いた。
「旦那派と若旦那派に分かれているの」
そして話を続けた。
「旦那派はヤンチャで武力重視な人が多いわね。銃を持っていることが多いわ。例えば月子ちゃんをよく攻撃してくるような人達よ。彼らは旦那派ね」
あの柄が悪い人達か、と納得する。