天使のアリア––翼の記憶––
02 遭遇
女の子が歌を歌っている。
この世のものとは思えない、とてもとても綺麗な歌声だ。
しかしながら、女の子の歌う歌は、とても不思議だった。
クラシックのようで、
ジャズのようで、
喜びで満ちているようで、
どこか楽しそうで、
哀愁と憂いを帯びていて、
哀しそうで、
懐かしくて、
近代的で、
どこか底なしに明るいようで、
深い闇のような影があるようで、
聞いたことがありそうで、
聞いたことがないようで、
とても不思議なのに、
とても綺麗なのだ。
あまりに綺麗なその声に魅了されてしまう。
心を掴んで離さない、魅惑的なメロディ。
この曲の、名前は…