天使のアリア––翼の記憶––
「って、何であたしが狙われるの?あたしは夢巫女としてはまだまだで、冠名だってないのに…」
二つ名は様々だ。
例えば、おばあちゃんの冠名である暦や、お母さんの冠名であった月読、そう言えば、私の中学生になったばかりの従妹は最近、庚(かのえ)という二つ名をもらっていたっけ。
名をもらう、ということは夢巫女にとってとても重要なこと。なぜって、自分の能力が認められたということを意味するからだ。
見た夢が、誰に関わることなのか、それがいつ起こるのか、など様々なことが評価されて、おばあちゃん__暦様からその能力に見合った名を頂く。そしてその冠名は生涯変わることはない。
私はまだまだ力がないので、冠名すら貰っていない。
だから早く冠名がもらえるようにおばあちゃんから超スパルタ修業をしてもらっている最中なんだ。
「それは…」
皆、表情が曇ってしまった。空気が、重たい。
え、どうしたんだろう…?
するとおばあちゃんが口を開いた。
「"歌姫の心を射抜いた者は願いを叶えることができる"」
「お、ばあちゃん…?」
「これは、お前のお母さんが__月読が、夢に聞いた言葉だよ」
「お母さんが…?」
おばあちゃんは静かに頷いた。
「そして続けて言った。"歌姫を還さねば争いが起こる"と」
「歌姫…?争い…?」
一体何のことを言っているんだろう。
「それを止めてくれ、と言い残して逝ったよ、あの子は」
おばあちゃんの目には薄らと涙が滲んでいた。
私のお母さんは、月読という二つ名を頂くほど優れた夢巫女で、沢山の依頼をこなす大人気の夢巫女でもあったんだ。
そのため、夢を通して危険な情報を知ることも多々あり、そのために常に命を狙われていた。
そして、気づかぬ間に呪われ始めたんだ。
徐々に体を壊していくという残忍な呪いをかけられて、どんどんやせ細り、あの日、病室でひっそりと息を引き取った。
そんなこともあって、おばあちゃんは傷ついている。若くして、自分の娘が逝ってしまったから…
普段はそんな様子は全然見せないんだけどね。
おばあちゃんも、お母さん同様、強がりだから。
二つ名は様々だ。
例えば、おばあちゃんの冠名である暦や、お母さんの冠名であった月読、そう言えば、私の中学生になったばかりの従妹は最近、庚(かのえ)という二つ名をもらっていたっけ。
名をもらう、ということは夢巫女にとってとても重要なこと。なぜって、自分の能力が認められたということを意味するからだ。
見た夢が、誰に関わることなのか、それがいつ起こるのか、など様々なことが評価されて、おばあちゃん__暦様からその能力に見合った名を頂く。そしてその冠名は生涯変わることはない。
私はまだまだ力がないので、冠名すら貰っていない。
だから早く冠名がもらえるようにおばあちゃんから超スパルタ修業をしてもらっている最中なんだ。
「それは…」
皆、表情が曇ってしまった。空気が、重たい。
え、どうしたんだろう…?
するとおばあちゃんが口を開いた。
「"歌姫の心を射抜いた者は願いを叶えることができる"」
「お、ばあちゃん…?」
「これは、お前のお母さんが__月読が、夢に聞いた言葉だよ」
「お母さんが…?」
おばあちゃんは静かに頷いた。
「そして続けて言った。"歌姫を還さねば争いが起こる"と」
「歌姫…?争い…?」
一体何のことを言っているんだろう。
「それを止めてくれ、と言い残して逝ったよ、あの子は」
おばあちゃんの目には薄らと涙が滲んでいた。
私のお母さんは、月読という二つ名を頂くほど優れた夢巫女で、沢山の依頼をこなす大人気の夢巫女でもあったんだ。
そのため、夢を通して危険な情報を知ることも多々あり、そのために常に命を狙われていた。
そして、気づかぬ間に呪われ始めたんだ。
徐々に体を壊していくという残忍な呪いをかけられて、どんどんやせ細り、あの日、病室でひっそりと息を引き取った。
そんなこともあって、おばあちゃんは傷ついている。若くして、自分の娘が逝ってしまったから…
普段はそんな様子は全然見せないんだけどね。
おばあちゃんも、お母さん同様、強がりだから。