隠れ俺様は壁ドンで愛を囁く
苦しくなってあけた唇を割って、温かいものが侵入してくる。

「ふ……ぁ…っ、は…っ」

でるのは、自分のだとは思えないほどの甘ったるい声ばかり。

いつのまにか目を閉じ、与えられる快感に身を任せていた。





長かったそれは。

チュッとリップ音をたてて、先輩が離れていくことで終わりを告げた。

足に力が入らなくて、先輩に支えられていたことでなんとか立っていた私はズルズルと、寄りかかっていた壁にそって座り込んだ。

乱れた呼吸を必死で整えようとしていた私は、そんな私を、先輩が優しい瞳で見つめていたなんて知らなかった。
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